夢の中で幻を見た。
200X年。財政危機に追い詰められた日本政府は、ニューヨーク証券取引所で米国連邦債を大量に売却した。証券市場は恐慌に陥り、10.22事件として記憶された。
200X+1年。米国のフォレスト大統領は一般教書演説の中で世界経済安全保障上の最大の脅威、「不良の列島」(Archipelago of Non-performance)と日本を名指しした。その後、不良債権処理、構造改革を要請する度重なる国連決議にも係らず、大泉首相は「決意はゆるがず」と繰り返すばかりであった。
200X+2年。米英の提出した経済状況査察案を国連安保理は全会一致で決議、査察団を日本に送り込んだ。団長のリットン・世は、大量不良債権の隠蔽があると批判。査察団接待疑惑が引金となり、遂に多国籍清算部隊が編成され、数分の後、首相官邸ホームページに国連とIMFのバナーがひるがえった。
一連の動きの中で、イラヌ戦争の際に悪化した米仏関係は急速に修復され、日本国経済再建団の団長には、かつて日の丸モーター再建に力を振るったカナリ・ゴーイン氏が任命された。
「主よ、閉塞を脱して日本国民に未来が開けるのですか」と私は尋ねた。主は言われた「バビロニアの民を見よ」。「主よ、むさしの教会増改築資金計画はどう進めれば良いでしょうか」と必死に言葉を継ごうとした時、目覚ましがけたたましく鳴った。あ、今日は説教録音当番だ。(い)