遠藤順子著 『夫の宿題』
豊田静太郎「日本の医療のありかた《と「日本におけるキリスト教のありかた《の二つの内容となっている。遠藤夫妻の毎日の食卓での会話にもなっていたものと思われる。医療をただ病気を技術的にいやすことにとどまらず、ココロのところまで踏み込んでなすべきとする論は全く当然であり、作今の新聞紙上でも散見するところである。このことは遠藤周作氏が逝去した当時よりも進んできているものと思われる。
しかしながら夫人は言及していないが、医療を受ける側に例えば少子高齢化、世代間別居等による別の問題も発生しているものと思われる。後の問題は、例えば土着化運動については正にそのとおりと心理的には同意しながらも、具体的にどうすべきかは全く頭を抱えるところであろう。ルーテル教会を含めて日本のプロテスタント教会でも、第二バチカン公会議でなされたカトリック教会の大胆な論議、ハッキリした方向づけ、実施が必要と考えるがどうであろうか。
(2007年3月号)