いま私は、70歳になる母とふたりで暮しています。
母に対して求めているものや母から受けたいと願う愛情は、私がどんなに歳を重ねても幼いときからずっと変わることはありません。また、母にとっても私が何歳の大人になろうともずっと娘であり、子どもであることに変わりはないのです。
しかし、その母も本当のところは体力的にも気力的にも急激に歳をとってきていることをここ2~3年の間に強く感じるようになりました。
子どもとして親に求めるばかりだったので、なかなかそのことを気づいてあげられなかったのかもしれません。また、いつも一緒にいる人のことは、かえって近すぎてちゃんとわかってあげられないでいたのかもしれません。
毎年の母の日が、今までは何か照れくさくて、またどうお祝いすればよいのか分からないでいたけれども、これからは毎日が母の日という思いで過ごしていきたいと思うのです。
(2000年 5月)