幼いときに通っていた小さな教会では、毎年クリスマスになるとつぎつぎと外国から届くクリスマスカードを、居間の壁に貼って飾っていました。それまで見たことのなかったクリスマスの色やデザイン。横文字のメッセージに手書きのサイン。そして、カードからほのかに伝わってくる私の知らない遠い国の匂い…。
外国からのクリスマスカードは、私の中に何かあたたかくキラキラしたものを残してくれました。そして、クリスマスが世界中にとって美しい出来事なのかな、と私が意識した初めでもあります。
クリスマスは、いつもどこかほのかに眩い想いを私たちにもたらしてくれます。それは、もしかしたら冬の寒く暗い夜に3人の博士達が、また、羊飼い達が飼い葉桶で光に包まれて眠っていらっしゃるイエスさまとの出逢いで感じた喜びが、私たちの中に何か自分の記憶となって刻まれているからなのかもしれません。
この世の罪から私たちを救うためにお生まれになったイエスさま……それは、神様から私たちへ届けられた、何よりもうれしいクリスマスカードなのです。
(1999年12月)