学生時代からの友人が3人目の赤ちゃんを身籠もりました。その知らせを受けたとき、思わず「えっ、大変じゃない。大丈夫なの」と私は答えてしまったのです。それは、夫婦共働きですでに2人の子どもの育児に追われている彼女の姿を見ている私の率直な思いでした。そして彼女は「確かに大変なんだけど、でもね神様はちゃんと考えてくださっていると思うの。だからお祈りしていて欲しいんだ」と答えました。それに対して、私は「とにかく、おめでとう」と言うのが精一杯でした。
後日、車で移動中ことです。陽が沈み空の色が夜へと移り始めていました。そのとき聞いていたCDから『み使いうたいて(What child is this?)』が流れてきたのです。
神の子を身ごもったマリアでさえ、喜びよりもまず大きな不安を抱いていた。しかし、祝されて生まれるべき赤ちゃんがおなかに宿っている。それを思い浮かべたとき、マリアと友人の姿とが相重なり、私は泣いてしまいました。悲しかったからではなく、そこにある喜びが余りに美しく見えたからです。