ハト   石垣 通子

 最初に出てくるのは「ノアの洪水」の物語です。(創世記8:8)

 又新約聖書では、イエス様が洗礼を受けられた時(マタイ3:16)、神さまの霊がハトのように降りましたが、後にご存じの聖霊降臨(ペンテコステ)の時は炎のような舌と表現されています。(使徒2章)

 又、聖書の中で大切ないけにえの中にもハトは入れられています。まず、牛・羊・山羊。そして貧しい人々にとっては家鳩又は山鳩が使われています。(レビ記5:7)。

 山鳩というのは、シラコバトやわが国ではキジバトとして知られているものとごく近いコキジバトなどを指します(英語ではDove)、漢字では鳩。

 これに対し、イエバトはカワラバトや家禽化されたドバトのことです。(英語ではPigeon)、漢字では鴿。

 文語訳聖書では、ノアの物語のハトは鴿が使われています。

 これは余談ですが、手品などで使われている真っ白なハトがシラコバトです。

 そして、イエス様の次のような言葉も有名です。「…だから、蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい。…」(マタイ10:16)

(95年 7月)