聖書の世界を代表する動物であり、イエス様はご自分の事を「良い羊飼いである」と言われ、バプテスマのヨハネは「神の小羊」と呼ぶ。羊は地中海地方に分布するムフロンという野生の羊から家畜化されたもので、その始まりは8千年も前と考えられます。まさに旧約聖書の世界と一致します。
まず、創世記4章2節「アベルは羊を飼う者となり…」で始まり、イスラエルの人々にとって大切な神様への捧げ物の動物の一つとなります。22章の有名な神様がアブラハムに一人息子のイサクを捧げよと命じられ、その後身代わりに備えて下さった雄羊と、出エジプト記12章のイスラエルの人々のために犠牲にされた過ぎ越しの小羊がイエス様のことを表わしていると見ることが出来ます。そしてイエス様は生まれた時には羊飼いたちに囲まれていましたし、譬話にも羊を沢山登場させています。又、聖書で最も有名と言って良い詩編23編も「主は羊飼い…」で始まります。マタイによる福音書25章31節より始まる再臨の時(終末の時)、羊は正しい人々として、山羊は悪い人々として描かれています。羊(sheep)、雄羊(ram)、雌羊(ewe)、小羊(lamb)。
(95年12月)