「殺さず盗まず邪淫せず,嘘つかず無駄口たたかず悪口いわず二枚舌をつかわず,欲張らず怒らずよこしまな物の見方をせず。」
初めて見たときには隠れキリシタンが唱えていた十戒かなと思ったのだが、実は江戸時代の真言宗の僧“慈雲”が独力でサンスクリット・古代仏教を修めた後、古代仏教の頃から唱えられていた十善戒を、人々が分かり易いような言葉にして説いていたものとのこと。本当に世の中イロイロあります。
冒頭の殺生は生き物全てについて言っており、モーセの十戒では人殺しだけを禁じている。また全体に命令調の十戒に比べて優しく諭す言い方に思われる。
——(ハ)
むさしの教会だより 2013年7月号