この度ご支援していただき、タイという国に研修に行かせて頂けた事を幸せに思い、また感謝致します。
タイでは、初めて経験することが色々ありました。はじめに感じたのは、熱い!ということでした。3月の終わりごろの太陽に、汗が吹き出るほど強く照らされるという事、すれ違う人との笑顔の挨拶、常に町に響く笑い声。真っ赤やピンクのド派手なタクシーも、信号待ちで待っているバイクの群れにも、全てに驚かされました。ワゴンの窓から見える景色が万華鏡のように次々に変わり、私の感情を高ぶらせました。
タイでは、色々なところを訪れました。その中の一つに、泰緬鉄道に行く機会がありました。そこの列車は、死の列車と呼ばれていました。事前の勉強した事で、いかに酷い仕打ちの中で造られたのかを聞いており、緊張しつつ乗り込みました。走り出し、流れる景色を眺めました。列車内は、観光客がピースをして写真を撮り、のほほんとした雰囲気でした。私は不思議な気持ちになりました。列車が与えてくれたものは、意外にも幸せであったからです。苦しみの果てに出来た鉄道が、人々の心に幸せをもたらしている、という現実に戸惑いながらも、列車の旅は終わりました。この現実を考えなければいけないと思わされました。考えるということの大切さを、窓から入り込んでくる風に気づかされたような気がします。
私たちは、最終日に教会に行きました。礼拝堂に入ると、皆それぞれにブツブツしゃべっているのが目にはいりました。何をやっているのかと思い尋ねると、タイの人はお祈りを声に出してする、ということを教えていただきました。とても興味深い事です。ギターやドラムの音に合わせて皆が讃美をし、礼拝が始まりました。それは、タイの人の性格を表しているように思いました。言葉にできないものが、私の胸の中にこみ上げるのを感じました。
ここには書ききれませんが、本当にたくさんのことを体験しさせていただきました。タイは良い国です。惚れました。
現地でお世話になった杉岡先生、引率してくださった宮沢先生と高村さん、共に旅をしたメンバーの子たちに感謝しています。タイで出会った人、経験したことを忘れず生きていってほしいと思います。皆様、本当に有難う御座います。
(むさしのだより2008年 5月号より)