皆さまのお祈りとお支えにより、10月16日新しいオルガンが礼拝堂に設置されました。10月28日の宗教改革記念日礼拝では、大柴先生によりオルガン奉献の祈りが捧げられ、会衆の讃美する声とオルガンの響きが会堂に満ち溢れ、まさに歌う教会さながらの豊かな礼拝となりました。
ヨハネス社は1968年に創業されたオランダの楽器メーカーで、河合楽器が輸入代理店になっています。「スウェーリンク25」は2段の手鍵盤と足鍵盤を持つ楽器で47個のストップ(※オルガンの音色選択機構)を持っています。さらに(1)バロック(2)シンフォニック(ドイツ)(3)ロマンチック(フランス)という3つの切り替えボタンが付いており、1台で3種類のオルガンの音色を出すことができます。バッハやブクステフーデなどは(1)で、ブラームスやレーガーなどは(2)で、フランクやギルマン、ヴィドールなどは(3)で・・と作品に応じて音色を切り替えることができます。(2)(3)は19世紀~20世紀初頭に登場した大型オルガンから音を録っており、(1)バロックのきりっとした音に比べると、幅の広い柔らかい音色が特徴です。また、パイプオルガンは造られた年代によって(a)ミーントーン(b)ヴェルクマイスター(c)平均律と調律の仕方が異なるのですが、それらも再現できる切り替え機能が付いています。その他、楽器本体に付いている外部入力を利用して、オルガンのスピーカーからCDやMDの音を再生して楽しむこともできるようになりました。先日のバザー&フェスタでのオルガン・ミニコンサートでは、作曲された時期や楽器を想定して音作りを試してみましたがいかがでしたでしょうか。
今回、当初予定の機種の納期が遅れるかもしれないという理由からでしょうか、ヨハネス社の配慮でグレードの高い「プラチナモデル」が届きました。日本初上陸とのこと。通常のタイプにはない「コンビネーションを切り替えるフットボタン」と「ソロ用のストップ6個」さらに「自動演奏機能28曲」がついており、それだけで50万円以上の価値があるとのことでした。思いもよらない幸運に恵まれ本当に感謝でした。
オルガン検討委員会では むさしの教会の会堂にふさわしい楽器をと願い議論を重ねました。8月の猛暑の中、検討委員とオルガニストが集まってオルガンの見学に参りましたことも楽しい思い出となりました。昨今のコンピュータ技術の向上は素晴らしく、どのメーカーの楽器も音質が格段に良くなっており、甲乙つけがたく選定に悩みましたが、最終的にはスピーカーを天井後方の梁に設置できるという利点からヨハネスに決まりました。音の感じはいかがでしょうか?全体の音量は調節ができますので、ご感想等をぜひお寄せ下さい。
オルガン設置に際しては 初谷兄がオルガンのコードを柱や床材の色と合わせて、目立たないように綺麗にペンキで塗って下さいました。「まだ音が硬いけど そのうち馴染んでくるよ」と紙に書いて手渡して下さり、じっとオルガンの音に耳を傾けておられたお姿が忘れられません。
豊かな礼拝を捧げるためにオルガニストの役割は大きく責任も重大です。素晴らしい可能性を持った楽器を用いて、礼拝に集うお一人お一人の心が神さまの讃美に向かうことができるよう努めてまいりたいと思っております。どうかよろしくお願いいたします。
(むさしのだより2007年12月号より)