ルーテル・医療と宗教の会では、さる6月10(日)、むさしの教会にて公開講演会を開催いたしました。今回は、石丸昌彦先生(精神科医・桜美林大学教授)をお招きして「精神障害をもつ方々へ教会ができること」と題してご講演いただきました。
精神に関する問題は、以前は誤解や偏見が多く閉ざされがちなものでした。石丸先生が精神科医となった20年ほど前は、町中に精神科のクリニックは数えるくらいしかなかったそうです。しかし、現在は患者さんの増加があり、社会的な認知度や関心が高まりつつあるのではないでしょうか。精神障害の現状は複雑多様化しており、医学的・心理学的立場からの治療や援助と共に、「魂のよりどころ」として教会の果たす役割があるということでした。この背景には、魂のよりどころとなるべく家庭の機能低下があるようです。教会は、1つの大きな家族といえる場です。世間一般の家庭が失ってしまったものが、教会にはまだ残されているような気がします。
目の前にいる人が、いま何をどんなふうに悩んでいるのかを理解することが「できること」を見つける第一歩。わからないことは、当事者・家族・専門家に訊く。できることをし、できないことはしない。これらは、あたりまえの事ですが意外と気がつかないことでした。
今回の講演が、皆様の日常生活や教会生活の中で少しでもお役立ていただければと思います。
ルーテル・医療と宗教の会は、東教区に属するグループの一つとして10年以上にわたり活動を続けております。現在は、公開講演会の開催が恒例となっております。発足以来、事務局は池袋教会にありましたが、昨年よりむさしの教会へ引き継がれました。原先生が世話人代表としてご尽力されております。いつでも、どなたでも入会できます。皆様も、これを機にご入会いかがでしょうか。
今回の講演会開催にあたり、石丸先生、大柴先生や教会員の皆様には多くのご協力をいただきましたことを感謝いたします。事務的な仕事が大の苦手な私ではございますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
(むさしのメンバーの長谷川洋子姉は、現在、ルーテル医療と宗教の会の事務局を担当してくださっています。ルーテル・医療と宗教の会の代表は、むさしのメンバーの原仁兄です。)
(むさしのだより2007年7月号より)