APELT-J タイへの旅
3月24日から4月1日まで、大柴牧師を団長とするAPELT-Jタイ研修セミナーがあり、むさしの教会から原貴恵子姉と大柴麻奈姉も参加しました。以下、報告書からの感想文抜粋です。(大学在学中の原姉は帰国後に堅信礼を受けられました。おめでとう。)
足が不自由だという二人の女性に会いに、それぞれの家へ行った。一人は少し年老いた感じのカンムーンさん、もう一人は若くて笑顔がとっても可愛いノイさんのところだ。タイで障害者だというのは日本で障害者であるというのと全然意味が違う。仕事はほんの少しの限られた(店を構えてものを売る)ことなどしかないのだ。時にはひどい差別も受ける。ここでノイさんに焦点を当ててみよう。私には彼女は、明るく強く、とても幸せそうに笑っていたように見えた。15歳の時にある事故で足が使えなくなり、人生に何も意味がないと感じ、死のうと思ったこともあると話していた。しかしあるラジオ番組でイエス様のことを知って、それから変わっていったのだという。私は先生が昔の状況と交えて通訳してくださるのをきくのと涙をこらえるので精一杯だった。クリスチャンホームに生まれた自分がこんなに熱い信仰を持ったノイさんの前で恥ずかしくなった。また、カンムーンさんはイエス様を信じるようになってから石を投げつけられたり、店に誰もこなくなったりしたそうだ。タイの人はどうしてこれまでしてイエスを信じようと思うのだろう。バスのドアをあけて走る程面倒くさがり屋な人が2-3時間もかけて教会に行きたいと思わせるにはなにかよっぽど大きい力が働いているはずなのである。(大柴麻奈)
タイは国王を含め国民の95%以上が仏教徒の仏教国です。6世紀に仏教が伝来してから、その思想は人々の生活や心に深く根付いてきました。そのなかで人々を悩ませ、恐れさせてきたのが「悪霊」です。遠い昔から人々は説明のつかない病気や災難を悪霊の仕業として恐れ、悪霊払いなどの儀式を行ってきたのです。
もっとも印象的だったのがタイルーテル本部のビショップの悪霊体験でした。彼は12歳から19歳まで出家していた元僧侶という経歴の持ち主で、しかも出家中悪霊にとりつかれていたというのです。意識を失って倒れたりお寺の周りを走り回ったりと彼の話があまりにショッキングであっけにとられて聞いていました。しかしその経歴と体験こそが今の彼の強みとして宣教活動に役立っているのではないでしょうか。
この旅行でわたしは異文化の中で何かを伝えていくことの難しさを感じました。そしてそれと同時にその困難を乗り越えようとする多くの人々に出会い、その強さやたくましさや勇気に衝撃を受けました。これからわたしがイエス様を信じて生きていく上で壁にぶつかることもあるかもしれません。そんなときに彼らを思い出して乗り越えていけるように、神様がお手本を示されたのだと思います。(原貴恵子)
(むさしのだより2004年6月号より)