編集後記 「信仰の装い」 秋田 淳子

もう20年程前のことです。私がルーテル神大で社会福祉を学んでいた当時の学生たちの服装は、とても地味でおとなしいものでした。社会福祉という分野だけに、ファッションに夢中になる必要も無かったのかもしれません。しかし、同じ学年の中にいつもお洒落をしていた2人組の女の子がいました。学校の近くに住んでいた彼女達は、お昼休みが終わると午前とは違う装いで授業に現れるほどでした。

その様子を「何も、そうまでして学校に来ることもないのにね」と隣に座っていた男の子に話したら「だけど、見る人の目を楽しませてくれるんだからいいんじゃない」と答えたのです。

なるほど、人はお洒落をするのに身に着ける物一つ一つの色や形を楽しみます。そして、身に着けてしまえば自分の全体の姿は見えなくなるけれど、今度は周りの人を楽しませてくれているのです。

信仰も、神さまとの出会によって与えられたあふれる喜びを身に着け、今度は自分の周りの人にその喜びを伝えること。

装いのお洒落にもそれぞれあるように、今年の春のあなたの信仰の装いのキーポイント何ですか?あふれる喜びのテーマカラーは何ですか?

(2000年 3月)