創世記の13章にはアブラム(アブラハム)の家畜として牛や羊が出て来る。まず食用(創18章7節)になり、また農耕用にも使われていたことは「十戒」を思い出せば分かる。『牛、ろばなどすべての家畜』(申命記5章14節)そして献げ物とされる(レビ記1章2節)。
その同じ牛が献げ物を献げられる神とされる所がある。モーセが十戒を与えられている間にイスラエルの人々は金の子牛を造り、大騒ぎをする(出エジプト記32章)。ある注解書によると牛は古代近東諸国において神の力を表すために用いられたらしい。この話の後半には恐ろしい事が起こる。神様は彼らを滅ぼすと言われたが、モーセが執り成す。
ある聖句を思い出す。『人が人に罪を犯しても、神が間に立ってくださる。だが、人が主に罪を犯したら誰が執り成してくれよう。』(サムエル上2章25節) 祭司エリの言葉である。
(97年 7月)