最も親しみやすい鳥であり、人の住居のみならず、神殿にも住み(詩編84:3)、群居性が高いが、悲哀や孤独のシンボルでもある(詩編102:7)。この箇所は新共同訳では1節ずつずれ(84:4,102:8)、口語訳では雀となっているが、新共同訳では鳥としか訳されていない。
二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。……だから、恐れるな、あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。(マタイ10・29-31)
こうして雀が売られている事は、日本でいえば焼き鳥に使われるようにイスラエルでも日常の食品として用いられていたようで、タンパク質は肉類と同じ位あり、カルシウムが非常に多く、ビタミンもC以外はある。
だが神様のみ心にかなって生を受けたものは、例え小鳥一羽でも神様はお忘れにならない。人間は彼等を絶滅させる事も救う事も出来るが、忘れてならないのは人間の力では再び造ることは絶対に出来ない。
(1994年 7月号)