大麦も小麦も気候の温暖な地域で栽培される主要な穀物で、大麦は値段が安いので、家畜の餌としても利用されました。
パンが作られたのは紀元前4千年頃、エジプトであると言われています。
小麦の蛋白質は塩と水を加えてこねると、イーストから出たガスを閉じ込めてふくれるグルテンを形成し、他の麦(大麦、ライ麦)ではふっくらしたパンにはなりません。また、麦類の蛋白質はリジンという重要な必須アミノ酸が少ないのですが、魚には非常に多い。従って、パンと魚を組み合わせて食事をするのは栄養の上でも良いことなのです。
創世記ではアブラハムがイサク誕生の知らせを持って来た三人に上等の小麦粉でパン菓子を作ってごちそうした話が出て来るし、ルツはボアズの畑で落ち穂拾いをしてパンをもらって食べたり、炒り麦を与えられたりしています。
また、イエス様が五千人の人に食事を与えた有名な物語はマタイ(14章)マルコ(6章)ルカ(9章)ではパンとしか出ていませんが、ヨハネによると大麦のパンとなっています。
(97年 8月)