現在、ライオンの分布はサハラ砂漠以南のアフリカ大陸と、インド西部の森林に少数になっていますが、古代には中近東やペルシャを経てヨーロッパ南部にまで広がっていました。従って旧約の世界では最も強く猛々しい動物として随所に登場します。
最も有名な箇所は何といっても土師記14章に出て来るサムソンの物語、そしてダニエル書6章の話。又ダビデがゴリアトを倒す時に、羊を襲う獅子を殺した時のように石投げで倒す話はサムエル記上17章に出ています。
最初に登場するのは創世記49章9節、12部族の一つ、ユダを象徴する時に若い獅子としてあげています。
その他、詩編、預言書、ヨハネの黙示録にも。さらに外典聖書のダニエル書補遺「ベルと竜」にも出て来ますし、「マルコによる福音書」のマルコのシンボルでもあります。
ペトロの手紙一の5章8節には『…あなたの敵である悪魔が、ほえたけるライオンのように……』とあり、ヨハネの黙示録5章5節では『…ユダ族から出たライオン、ダビデのひこばえが勝利を得たので、七つの封印を開いて、その巻物を開くことができる。』と表現されている人こそ、イエス・キリストです。