スオミ人はウインタースポーツが大好き。日本に比べれば冬は長く夏が短いスオミですから、ウインタースポーツが盛んなのは当然といえば当然ですが、やはりスオミの冬は長い。北部なら10月から4月までスキーができます。
スオミの国民的スポーツにアイスホッケーとスキージャンプがあります。アイスホッケーでは1955年にスゥエーデンを打ち破って世界選手権で優勝していますし、またアメリカのNHLでは数々の名選手が活躍中です。
スキージャンプではジャンパー、マッティー・ニッカネンを生んだスオミのジャンプチームが有名になりました。たとえば1998年の長野冬季オリンピックでスオミチームのヤニ・ソイニネンが(日本にとっては残念でしたが)ノーマルヒルで金メダルをとりました。
スオミ北部のラップランド各地には数々のウインターリゾートがあり、ほとんどの場所でスキー、スノーモービルの他にトナカイぞりや犬そりに乗ることができます。同じソリでもトナカイはゆっくりペースで少々気分屋。ハスキー犬はチームを組んで雪をけちらして走るので乗り手にも体力が必要。スポーツというよりはアドベンチャーと呼ぶのがぴったりのアクティビティーです。
日本の最北端よりさらに北、真冬にはマイナス30度になることも珍しくない大自然の中にあるクロスカントリーのスキーコースは200kmを超え、夜間照明は40kmにも及びます。レンタルのスキー道具から防寒具まで充実していますから準備が不十分な旅行者でも手軽にコースに出られます。またクロスカントリースキーは板が軽く初心者でも簡単に滑ることが可能です。なだらかな斜面がどこまでも続く森の中をスオミの人たちと一緒にクロスカントリーを楽しめます。晴れた日はクロスカントリーには最高です。森の所々には熱いコーヒーが飲める小屋もあります。ダウンヒルスキーのゲレンデではパウダースノーの新雪、ほとんど待たずに乗れるリフトなどスオミだからこその楽しみも多いです。
冬の楽しみの一つには家族や友達と一緒にスキーをしながら森の中の自然の美しさと静かさを経験することがあります。ここで大切なことはスピードではなくて、太陽が雪の下に沈んだ後、キャンプファイアで作ったコーヒーを飲みながら食事したりして、のんびりすることです。
森の中の曲がりくねった道を抜け、地平線まで見える雪原の上を自由自在にスノーモービルで走る豪快な気持ちよさはラップランドの広大な自然だからこそ可能なのです。降りしきる雪の中を走ると、360度薄いグレーに包まれてなんとも不思議な世界を体験できます。そしてオーロラに出会う可能性もあります。スオミで是非体験したいのがオーロラ・ウォッチングです。オーロラの出現は時の運によりますが、遭遇できた時の感動は100%保証付き、言葉では言い表せない感動との出合いが待っています。一度オーロラを見た人は、必ずまた戻ってくるという不思議な魅力を持つオーロラを見に、あなたも是非スオミに出かけて下さい。皆さんの幸運をお祈りします。
(2002年2/3月号)