フィンランドでは待降節と降誕節の時期はとても大切です。町でも家でもこの時期の準備は飾り付けをする事から始まります。キャンドルを並べたり、窓には小さいライトを付けたりします。特にダビデの星はよく使われている飾りです。子どもたちの一番好きなものはクリスマス・カレンダーでしょう。ある人々は断食もします。しかし、クリスチャンにとって一番大切なことはクリスマスを前に心を静めることです。
待降節の第一主日礼拝ではホサナという歌を歌ったり、イエスさまがエルサレムに行かれた話を聞いたり、劇を演じたりします。フィンランドの独立記念日は12月6日なので、その日もこの時期の中でお祝いする大切な日です。82年前のロシアからの独立は祖父や祖母の働きとして、神さまが下さったプレゼントだと思います。クリスマスの時期には他にもいろいろ楽しい行事があります。例えばクリスマス・ソングのコンサートがあるし、町にもクリスマスの音楽が流れます。学校でもクリスマスの前日の朝の短い礼拝でクリスマスの話と劇があります。
また家ではふつう大掃除をしたり、特別な料理を用意したりします。とても時間がかかったことを覚えています。けれども、クリスマスは私にとって一番すばらしい時です。私の家では森で切ってきたクリスマス・ツリーは23日に家の中に運び込みます。そして子どもたちはそれをみんなでおしゃべりしながら飾り付けます。その日の夜はお父さんやお母さんが遅くまで準備をしている音が聞こえてきます。ベッドに入っても、楽しみでなかなか眠ることができませんでした。
24日は朝早く起きて、テレビで色々なクリスマスの楽しい番組を見ました。テレビでは12時にクリスマス・ピースという特別なクリスマスのお祈りとお話の番組が見られます。その日の朝の食事にはクリスマス・プーロというお米の少しあまいおかゆのようなものを食べます。もちろんこの日にはサウナにも行かなくてはいけません。そして、夜は教会で礼拝があります。この礼拝は一年でたぶん人が一番たくさん来る日で、子供の時の楽しいクリスマス・イブの礼拝は今もよく覚えています。礼拝から帰ったら一緒にクリスマスの食事をします。その料理はハムや色々なグラタンです。その後で特に子どもたちが楽しみにしている時間があります。それはプレゼントをもらう時間です。しかし、その前にイエスさまの誕生について聖書を読んだり、讃美歌を歌ったりします。そして、残っている夜の時間は家族みんなで楽しみます。
そして、25日の朝は一緒に7時に礼拝に行きます。クリスマスの時期はすばらしい自然の美しさに感動し、平安に満ちた心が持てる時です。一つのよく覚えていることは父のおばさんが私たちの家に遊びに来たことでした。私たちはおばさんを囲んで、おばさんのイエスさまについての話を聞きました。
イエスさまは私たちのためにこの世に来られました。イザヤ書には「見るべき面影はなく輝かしい風格も、好ましい容姿もない。」と書いてあります。イエスさまは小さい子供のように何も持たないでこの世に来られたのです。しかし、もっとすばらしい神さまの愛といつくしみを通して永遠の命を約束して下さっているのです。
(2001年12月号)