『聖書におけるスピリチュアリティー・スピリチュアルケアー』大柴譲治・賀来周一著(キリスト新聞社)

仲吉 智子

 今回の読書会は、お二人の著者がご出席になり、有意義な会になりました。最近本屋を覗くと「スピリチュアル」という本の多さに驚きます。真面目な本もある中、怪しげな本も多く、この言葉が日常的に聞かれるようになったのは、ここ数年の事と思います。今日取り上げる本は「聖書における」という大事な言葉が付いていますのでご安心下さい。第一部を大柴先生が創世記を手がかりに述べ、第二部を賀来先生がスピリチュアルケアとして臨床牧会の立場から書かれています。読書会ではお二人の先生を前に質問攻めで、日頃より大幅に時間がオーバーし日暮れ間近になっておりました。ちなみに目次だけ書き出しても興味ある言葉が並びます。「スピリチュアリティ」とは何か、から始まり「神からの呼びかけ」としての超越的スピリチュアリティ・「人間における応答」としての内在的スピリチュアリティ・「終り」から「今」を生きる終末的スピリチュアリティ、等々や、賀来先生の最後の章には、この「私」は死んだらどうなりますかと。又、本の最後に、ワークとして「私の物語をつくる」という付記があります。どうぞこの本を開いてみて下さい。「今」のあなたの生き方を問い直すいいチャンスになるかもしれません。お一人一冊を手に「私の物語をつくる」ことを試みて下されば幸いです。本は教会で購入できます。お勧めの一冊です。

(むさしのだより 2012年5月号)