たより巻頭言「天空のハーモニー」 大柴 譲治

すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」(ルカ2:13-14)

1/28の教会総会で設置された牧師館建築検討委員会とオルガン検討委員会が検討を重ね、6/3と7/1の礼拝後に公聴会が持たれた。いよいよ山が動き始めた感がある。オルガンに関しては、委員会答申を受け7/22に役員会が機種を決定する。10/28の宗教改革記念主日で新しいオルガンが奉献される予定である。2005年秋のリフォームで響きのよくなった礼拝堂がさらに豊かな響きに包まれることになるであろう。今から楽しみである。

礼拝をいつも支えているオルガニストと聖歌隊の働きを覚えて感謝したい。最初からルーテル教会は「歌う教会」と呼ばれるほど讃美というものを大切にしてきた。ルターによれば讃美歌は「会衆の説教」であり、それを通して私たちは上からの力に満たされる。音楽は辛い時の慰めであり、腹の底から大声で讃美することは呼吸を調えることにもなり健康にもよいであろう。脳も活性化され、免疫力も高まる。教会員を見ていると、確かに礼拝出席が長寿とQOL(生活の質)の高さに資していると思えてくる。思うに、教会につながるということは天の聖徒の群れの讃美に加わるということである。私たちは天空のハーモニーの中で一つに結び合わされている。様々な理由でこの礼拝堂に集うことができない人も、それぞれの仕方でこの讃美の歌声に加わっている。病いの床にあるお一人おひとりの上に主の祝福を祈りたい。

今、オルガンだけでなく、会堂全体、教会全体の音響を根本的に再検討しようとしている。あくまでその中心は礼拝におけるみ言葉と讃美と祈りの「声」であり、それが支えられることである。礼拝はキリストのライヴであり、礼拝式全体が一つのキリストの説教となる。羊飼いの声に耳を澄ませ、それに聴き従ってゆきたい。

2005年3月より外部に移った牧師館に関して、公聴会では様々な意見が出たが「一日も早く教会の境内地に戻したい」という思いでは一致していたように思う。灯台の灯は弱めてはならないであろう。10/21までには臨時総会が開かれ、来年前半の建築実現のため皆が祈りと力を合わせてゆくことになる。神の御心であれば、山は必ず動く。私たちはそれを信じ、ただ天空のハーモニーに自らの声を重ね合わせてゆくだけでよい。soli deo gloria!

(2007年7月号)