音楽を楽しむ最良の方法を合成、「すべてを一つに集約、直観的に使えるアプリ」を世界100か国以上で発売と米国大手メーカーが発表したのと時を同じくして、昨年東京に開業したレコード中古専門店が、当初の予想を上回る売り上げを記録したことも報じられた —「近年リバイバル・ブームの兆しを見せているアナログレコードは、音だけではない、ファッション性、インテリア性の高いアートワークや、まるで書籍を手に取った時のような質感も魅力の一つである」のコメント付きで。「アナログの温かみある音質に注目が集まり、じわりと人気が高まっているのではないか」という。
日本では明治43(1910)年、初の国産蓄音機「ニッポノホン」が発売され、わたしは幼少時、ゼンマイを回しつつ、当初はそのラッパに耳を寄せ、一面毎に取り換える鉄針で、戦中は竹針を削ったりして、1分間78回転するレコードから音楽を楽しんだ。蓄音機はプレーヤーとなり、レコードもSP,LP,EPを経てテープ・レコーダーへと発展、Hi-Fi・ステレオと臨場感で迫力ある音響効果を味わったのも束の間、時計、カメラ、携帯・スマホ、テレビへと押し寄せる「デジタル情報革命」に捲き込まれた。
その定義はさておき、「アナログは文化、デジタルは文明」、アナログ的人間像では、直感的、感覚的で協調、調和を大事に楽観的。デジタルの方は、行動前に考え合理性や効率に注目し計画好きで規律やルールを重視する沈着冷静などが挙げられる。
その中で、「デジタル全盛の今を生きる私たちが忘れかけている大切なことは、アナログな感覚を大切にすることで思い出すことができる」と指摘する社会学者小川和也氏や(『デジタルは人間を奪うのか − その現在進行形』2014年)、『いしい しんじの音ぐらし』を最近著した いしい しんじ氏の「ひとのなかに、アナログは根づく」の一文には深く感銘した(『毎日』5/24,日曜版)。
使徒パウロは云う、「ところで、信じたことのない方を、どうして呼び求められよう。聞いたことのない方を、どうして信じられよう。また、宣べ伝える人がなければ、どうして聞くことができよう。遣わされないで、どうして宣べ伝えることができよう。『良い知らせを伝える者の足は、なんと美しいことか』と書いてあるとおりです」(ローマの信徒への手紙、10:14〜 )。
宣教90周年を前に、むさしの教会新ビジョン委員会の教会内アンケート結果報告には,「教会の礼拝、交わり」を “良い”として大多数(75%)が挙げている。100%を目指そう!
むさしの教会だより 2015年7月