ブラジル宣教50年記念訪問団参加メンバー6人は10月10日(土)、アブタビ経由でサンパウロへ着いた。11日(日)サンパウロでの50周年記念礼拝から始まり、これまで関わりのあった宣教各地を訪問し、多岐に渡るプログラムのハードなスケジュールの中、「疲れを知らない鷲のように」10日間の旅を続けた。93歳になろうとする小笠原悦子姉には敬意を表したい。私はこの旅で出会った人々の言葉を紹介し、紙面を通して共に分かち合いたいと思う。
特にIVOTIやITATIの日系人たちが現在の生活までのそれぞれ数多い苦しみや悲しみ、喜びの貴重な体験や語りは深く私の心を捉えた。「私はもう自分のためには祈らないです。神様の御心がなるように、それしかないです」。「目の前のことばかりを無我夢中でやってきました。自分の世界からひょいと目を上げると神様の世界があったのですね。神様の世界は小さくなかった」。
何人かの男性は、目を輝かせながら移民生活を振り返り、「山と川を見つけ、自分たちの安息の地に辿り着くまでには多くの苦労がありました」と淡々と語ってくださったが、その笑顔には真に内面的なジェントルマンの姿が感じられた。これらの言葉は、味わってきた深い悲しみと苦しみの中からしか語ることができない生の言葉であると理解した。人はそれぞれの場所で神様と出会い、小さな無名のキリスト者として証ししながら生きる。
旅の最後にIguaçúの滝では、天地の造り主である神の臨在を全身で体感し、何処からか神様の声が聞こえるような気がした。そしてそこにくっきりと見えた大きな虹は、50年間の歩みや旅で出会った皆に神様が示す永遠の希望であるに違いないと思った。お一人おひとりに心からオブリーガード!
詩篇121